小さなミラクル通信

小さなミラクル探し、ご一緒にどうですか~

パンドラの箱は開き希望が残った

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 「なんだかいつも演技しているみたいで...」そう言いながら男性は疲れた表情で小さなため息をつきました。

大手企業で法務の仕事についているこの男性は、一流大学の法学部出身のエリートです。父親が弁護士ということもあり、法学部入学を目指して小さい頃から両親の敷いたレールの上を、懸命に走り抜けた感があるそうです。

自分の気持ちがよく分からない

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「法学部に行きたかったのかどうかも、自分ではよく分からないんです。」男性はもともと従順な性格だったので、両親の意向に沿いベストをつくしてきました。

でもふと、「僕は何が本当はしたかったのか」たまにこの思いが胸をよぎります。

「自分は何が本当は好きなのか、何がしたいのか。これを考えだしたら、パンドラの箱が開くのでは」そう思うと恐怖心すら覚えます。

「常に両親や周りが望むことを、毎日懸命に演じている。でももしかすると、本心はそんなことちっともやりたくないのかもしれない。」

僕は大悪人かもしれない

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男性が学校でも仕事でも、常に周りが認めるような高い成果を上げてきたのは事実です。

「だけど心がこもってないんです。周りの意に沿うためにしているだけで、まるで操り人形のような気がします。」

「自分の本心を覗いてみたら、本当は大悪人かもしれない。良い人ぶっているけど、これも良い人を演じているだけのような....」

最近このように気づいた男性は、自分の胸に長いこと居座っている、得体のしれない不安の出所はこれではないかと思うようになりました。

パンドラの箱が開き希望が残った

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好むと好まざるに関わらず、男性が心理カウンセリングにやって来た時点で、パンドラの箱はすでに開いたのです。なぜなら心理カウンセリングとは、セラピストと共に自分の心の中を覗きこむ作業だからです。

心を覗きこむことによって、正直な気持ちや自分の真の姿を確認していきます。本当はどのように生きたいのか、どのようなことがしたいのかを探る作業でもあります。そして作業中に自分の心の中にある、汚い部分を直視せざるを得ない瞬間も出てきます。

ギリシャ神話のパンドラの箱は、蓋が開くことによって災いが世界に飛び去り、しかし中には希望が残ったとあります。

パンドラの箱は開いたものの、男性はこの作業通して「心が少し軽くなりホッと」していくのを感じ、得体のしれない不安は次第に小さくなっていきました。

「常に周りの意に沿わなくてはいけない」という呪縛から心が多少解放され、まだ長い人生に対し、男性は少し希望を感じるようになりました。