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小さなミラクル通信

一日ひとつ小さなミラクル = 心のサプリ

ジャズバンド探し ベルギー編

Jazz

半世紀にわたりKさんの生活はサックスの演奏と共にありました。最初にジャズの魅力に取りつかれ、サックスの演奏を始めたのは20歳のころです。そのころは特に先生についたこともなかったのですが、独学で徐々に演奏出来るようになっていきました。

 

サックス以外のKさんの生活はいたって普通でした。大学を卒業しあるメーカーに就職、家庭も持ちました。同時にジャズのアマチュアビッグバンドで演奏を定期的に行っていました。

 

   

   

そんなKさんの生活に大きな変化が起きたのは、勤めるメーカーからベルギー工場の立ち上げを命じられた時で、今から40年も前のことです。赴任してみると何と工場予定地は、とんでもない田舎でした。

 

    

 

その地で工場の立ち上げを夢中で行う毎日は、飛ぶように過ぎていきました。仕事は無我夢中、新婚の妻は不慣れな外国で初めての妊娠中で、演奏出来ない一抹の寂しさを感じながらもサックスどころではありませんでした。

    

そんなある日その田舎町で車を運転していると、どこからともなくかすかにジャズ演奏が聞こえてきたのです。回りの風景はジャズとは程遠い田舎です。「えーっ‼ まさか‼」と思いながら音を頼りに近づいてみると、そこは鄙びた汚いパブでした。

 

         

 

                               

 

なんとそのパブにジャズ好きの人たちが毎週集まり、ビッグバンドの練習をしていたのです。ほとんど言葉も通じませんが、Kさんは身振り手振りで仲間に入れてほしいと嘆願しました。するとバンドメンバー達は日本人を見たのは初めてだと驚きながらも、快く仲間に入れてくれました。

 

   

 

Kさんが帰任までの約二年間そのバンドで演奏出来たことは、不慣れな外国の生活によるストレス解消の大きな助けになりました。

 

音楽は国境や言葉を超えた素晴らしいコミュニケーション・ツールですね。